アフィリエイト収入が税務署にばれる可能性がある「お尋ね」について
こんにちは!マサヒロです!
前回の記事では、税務署や国税当局からアフィリエイト広告代理店に送られる可能性がある(もしくは既に送られている)「お尋ね」について、簡単に説明しました。
今回は、この「お尋ね」の一般的な取り扱いについて、僕自身の会計事務所(税理士事務所)勤務時代の経験をもとに、お話ししたいと思います。


ということで、私が会計事務所に勤務していた頃に、最もよく見た「お尋ね」について、お話ししたいと思います。
それは「外注費の支払いに対するお尋ね」(仮)といったタイトルの「お尋ね」でした。
これは、僕が、多くの建設会社に、巡回監査(記帳指導やチェック・収支データの分析・経営助言等を行う)で訪問していた時によく目にした「お尋ね」です。
質問者は、主に所轄の税務署(厳密には税務署長の名前)で、質問内容は、例えば、次のようなイメージです(あくまでも仮の内容です)
- 「平成26年~平成28年の3年間で、月額5万円以上の外注費の支払先、及び、支払金額等をご回答ください」
- 「平成26年~平成28年の3年間で、年間50万円以上の外注費の支払先、及び、支払金額等をご回答ください」
このような感じの内容で、回答してもらう会社に集計させる手間を取らせないためか、会計ソフトのデータや伝票などから拾いやすい、前者の月額金額での質問の方が多かったように記憶しています。
特に、建設業界の現場作業の場合、業界特有の働き方があって、例えば、1つの住宅を建てる現場でも、様々な職種の職人達、例えば、大工さん以外にも、足場を組む職人や基礎工事の職人、配管工事の職人、電気工事の職人、内装の職人、左官職人等々、多岐にわたる職人達が現場に携わっています。
これらの職人さん達は、それぞれ1人1人が独立して自営業者(=個人事業主)として働いているケースが多くあるのです。
こういった職人さん達は、通称「一人親方」などと呼ばれ、施主や元請けである工務店などに直接雇われるのではなく、請負業者として請負契約を結んで仕事をしています。
もちろん、大きな建設会社や工務店などに直接雇われて従業員として働いていたり、また、「(株)○○管工」とか「(有)△△電工」、「(株)□□塗装」といった会社組織の職人集団の中で従業員として働いている場合も数多くあります。
そして、この一人親方と呼ばれる職人達は、それぞれが自営業者(個人事業主)となるため、1年間(1月~12月)の売上や経費を計算して決算書を作り、翌年の3月15日までに確定申告をして税金を納める必要があるのですが、それを、意図のある無しにかかわらず、怠ってしまうことがあるのです。
このような、無申告の自営業者を税務署があぶり出すために行っているのが、これまでお話しした「お尋ね」という名の質問状なのです(その他の取引情報の収集目的も含みます)
建設会社や工務店にとっての外注先、つまり、仕事を委託する取引先というのは、前述の会社組織の職人集団だけでなく、そういった1人親方なども含まれることが多いため、その一定程度以上の金額の外注費(=委託費)を支払っている業者達をリストとして提出させることで、1人親方などの情報を収集することができるのです(もちろん、会社組織の外注先も情報として収集します)
そして、その外注費の支払先や支払金額の情報を元に、その対象者の確定申告が行われているかどうかをチェックできるようになっているのです。
もし、そこに名前が書かれた自営業者が、明らかに確定申告を怠っている、つまり無申告と分かった場合は、今度は、その自営業者のもとに「所得税の確定申告についてのお尋ね」(仮)とか「事業内容についてのお尋ね」(仮)といった感じの質問状が届いたり、または、直接、所轄税務署の調査部門の職員から連絡が入り、税務調査を受けないといけないようになってしまうのです。
この国税当局(所轄の国税庁・税務署)から送られてくる「お尋ね」というのは、あくまで、強制力の無い任意の質問状ではあるのですが、これを全く無視してしまうと、その後、督促のハガキが来たり、電話連絡が来たり、場合によっては、自分の会社が税務調査の対象になってしまうこともあるため、面倒なことにならないよう、基本的には回答する会社がほとんどなのです。
このような具体例から考えると、建設業界だけでなく他の様々な業界でも、同じような「お尋ね」の質問状が送られるというケースが実際にあるので、そういうことで言えば、アフィリエイトの業界でも同じことが十分に起こりうる、つまり、広告会社であるGoogleアドセンスやA8.net、バリューコマース等といった広告代理店各社に、この「お尋ね」が送られてきても全く不思議ではないということなのです。
それでは、あくまで仮にというお話にはなりますが、このようなことを、アフィリエイト業界に当てはめた場合の想定できる具体的なお話を、次回の記事で書いてみたいと思います。