「小正月(こしょうがつ)」という言葉を耳にしたことがある人も多いと思いますが、何の日で、どういった意味が込められている日なのでしょうか?
また、2024年の小正月の日にちは、いつなのでしょうか?
そこで今回は、小正月に関して、次のような点について詳しくまとめましたので、ご覧ください。
小正月とは
2024年の小正月はいつ?
小正月の飾り物
小正月では「餅花(もちばな)」や「繭玉(まゆだま)」といった飾り物を作って、五穀豊穣などを祈願します。
それぞれの飾り物について、詳しく見てみましょう。
餅花
餅花は、豊作を祈るために小正月に飾られる飾りです。
実った稲穂に見立てたもので、繁栄と豊かな収穫を願うシンボルです。
作り方はシンプルで、小さく切った紅白のお餅を、ヌルデやエノキ、ヤナギなどの木の枝に刺し、束にして神棚や室内に飾ります。
繭玉
繭玉は、桑や赤芽柏の枝に、繭のように丸めた餅や団子を多くつける飾り物です。
これは、元々は、その年の繭の豊作を願うための飾り物で、東日本の養蚕が盛んな地域などで作られていました。
時が経つにつれ、葉の無い柳や笹竹などの枝に、繭の形に似せた餅や菓子をつけたり、七宝、宝船、千両箱、鯛、大福帳といった縁起の良い形をした飾りをつけるようにもなりました。
これらは「なりわい木」や「まゆだんご」とも呼ばれ、神社等で販売されていて、神棚や部屋に飾られます。
小正月の飾り物は、日本の伝統的な風習を色濃く反映しており、地域ごとに異なる特色を持っています。
これらの飾り物は、豊かな収穫や家族の健康、悪霊払いなど、人々の願いや希望を象徴しています。
小正月の食べ物は小豆粥
小正月に食べる代表的な食べ物は小豆粥です。
小正月に小豆粥を食べる理由は、小豆には邪気を払う力があると信じられており、小豆粥を食べることで無病息災や家族の健康を願います。
小豆粥は、平安時代の文献「枕草子」にも記載があるほど、古くから食べられています。
作り方は簡単で、米と小豆を一緒に炊き、時にはお餅を入れることもあります。
このお餅は「粥柱(かゆばしら)」と呼ばれ、健康や豊作等を願う縁起の良いものとされています。
なお、関西地方などでは、小正月の毎年1月15日に「鏡開き」を行うところがあります。
それらの地域では、鏡開きの食べ物として、開いた(割った)鏡餅をぜんざいやおしるこで食べる風習があります。
この鏡開きの餅を食べることで、神様の力を分けてもらう意味があるとされ、さらに、小豆が入っているぜんざいに入れて食べることで、無病息災を願う行事となっています。
また、小正月に飾られた餅花を、一部の地域では、調理して食べることもあります。
これは、豊作を願う意味を持ち、食べることでその年の豊かな収穫を願います。
小正月の食べ物は、日本古来の伝統や風習が色濃く反映されている点が特徴的で、それぞれの食べ物には、家族の健康や豊かな収穫を願う深い意味が込められています。
小正月の行事
小正月の毎年1月15日に行われる代表的な行事をまとめると、以下のようなものがあげられます。
- 餅花を飾る
- 粥占(かゆうら)
- どんど焼き・左義長
それぞれについて、見てみましょう。
餅花を飾る
餅花は、一年の豊作を祈るために飾られます。
紅白の餅を小さく切り、ヌルデやエノキ、ヤナギなどの木の枝に刺して束にして、神棚や室内に飾ります。
実った稲穂に見立てており、繁栄と豊かな収穫を象徴しています。
小正月が終わった後に、餅花を焼いて食べると、その1年は無病息災でいられるとも言われています。
粥占(かゆうら)
粥占(かゆうら)とは、1年の農作物がどうなるか、その年の天候や作物の吉凶を占うもので、古くは全国各家々や地域で行われていましたが、現在では、主に神社で祭礼として行われています。
やり方は、小豆粥を用い、煮え上がったお粥の中に竹筒などの棒を入れてかき回し、棒についた米粒や小豆の数で占います。
この占いは、日本全国の神社で、毎年、祭りの一環として実施されていて、特に小正月の時に、神様に納める小豆粥の儀式で行われることが多いです。
どんど焼き・左義長
どんど焼き(左義長)とは、お正月の間に迎えられていた歳神様を送り出すための行事です。
しめ縄や門松といった正月飾りや書き初め等を燃やし、燃やす際に上がる炎とともに歳神様が帰っていくとされています。
また、悪霊払いの意味もあり、どんど焼きの火にあたると若返り、焼いた餅を食べると病気にならないとされていて、病気の気を払うことも由来となっています。
全国の各地域によって「左義長」「どんと焼き」「とんど焼き」「鬼火たき」「道祖神祭」「さいと焼き」等々、様々な呼び方があります。
以上ですが、この他にも、東北地方で作られる「かまくら」も小正月の行事の一つです。
また、秋田県で有名な「なまはげ」も以前は小正月の行事の一つでしたが、現在は大晦日に行われています。
その他にも、各地方には、小正月の毎年1月15日前後に「鳥追い」や「もぐら追い」「えんぶり」などの豊作を祈願する行事が存在しています。
小正月の行事の多くは、日本の農業社会の根底にある豊作と健康を願う心が基になっています。
これらの行事は、地域ごとに異なる特色を持ち、日本の伝統文化として大切にされています。
小正月の読み方
今回は、小正月の意味や2024年の日にち、飾り物、食べ物、行事、読み方などについてまとめました。
小正月(こしょうがつ)は日本の伝統行事で、毎年1月15日に行われ、2024年(令和6年)も1月15日(月)に行われます。
小正月とは、大正月(1月1日の正月)に対して豊作を祈る行事で、由来は旧暦の1月15日で最初の満月の日にあり、現代では新暦の1月15日に祝われています。
この日は、お正月の最終日とされ、豊作祈願や悪霊払いなどの行事が行われます。
なお、小正月は「女正月」とも呼ばれ、主婦をねぎらう意味があり、一部の地域では男性が家事を行う日とされています。
飾り物としては「餅花」や「繭玉」があり、豊穣を祈願するシンボルです。
また、小正月には小豆粥を食べ、無病息災や家族の健康を願い、関西地方の多くの地域では、この1月15日に鏡開きを行って、鏡餅をぜんざいやおしることして食べます。
小正月の行事としては、餅花の飾り付け、粥占、どんど焼き・左義長などがあり、これらは豊作や健康を願う心を基にした伝統文化として大切にされています。
小正月は、地域ごとに異なる特色を持ち、日本の農業社会の根底にある伝統行事として価値があります。