子ども達のお正月と言えば、何よりも「お年玉」でしょう。
お年玉を渡す大人たちは、子ども達の年齢や学年に応じて、また、甥や姪などとの関係性も踏まえて、その金額を決めている人が多いと思います。
具体的な金額としては、1000円や3000円、5千円、1万円などの金額を、お年玉として渡すのが一般的です。
では、お年玉2000円はダメなのでしょうか?
結婚式のご祝儀などでは、2万円のように、偶数の「2」が入っている金額は嫌われるという話がありますが、お年玉の場合はどうなのでしょうか。
そこで今回は、お年玉2000円はダメかどうかに関して、以下のような点についてまとめましたので、ご覧ください。
お年玉2000円はダメなのか?
お年玉2000円はダメなのか?
結論から言うと、お年玉で2000円をあげることはダメではなく、全く問題ありません。
2000円には偶数の「2」が付いていて、これが割り切れる数字だからダメだという話もありますが、そんなことはありません。
確かに、結婚式のご祝儀などでは、偶数が付いている金額は「割れる=(夫婦が)別れる」といった語呂合わせから避ける人もいますが、子ども一人に対して渡すお年玉には、そのような習慣はありません。
では、このことについて、もう少し掘り下げて見てみましょう。
お年玉とは
そもそも、お年玉とは、元々、新年を祝うために子供たちに魔よけの目的で「お札(おふだ)」を配ることから始まりました。
時代が進むにつれて、このお札は徐々に現金へと変わり、現在では新年のお祝いの一環として、親族や祖父母から、子供たちへと贈られるようになりました。
このお年玉には、新年を祝う意味合いや幸運を願う思いが込められています。
また、この習慣は、子供たちに金銭管理の大切さを教える貴重な機会ともなっています。
なお、中国にも、大人が子どもにお金を贈る「紅包」という日本のお年玉に似た習慣があります。
お年玉の金額が偶数か奇数か
お年玉の金額が、2000円のように偶数が付いている金額なのか、1000円や3000円のように奇数が付いている金額なのかは、特に重要ではないとされています。
お年玉の習慣は日本全国にありますが、偶数の金額に対する考え方に大きな地域差はありません。
実際に、お年玉で2000円のような、偶数が付いている金額を渡した場合、特に問題が生じることはほとんどありません。
そもそも子供たちは、金額に偶数か奇数が付いているかよりも、お年玉をもらえること自体に喜びを感じます。
お年玉の金額を選ぶ際には、何よりも、子どもの年齢や親しい度合い、相手の状況や関係性に合わせて金額を選ぶことが大切です。
年齢・学年別のお年玉の相場
お年玉の金額は、もらう子どもの年齢によって変わるものです。
一般的な年齢別のお年玉の相場は、以下の通りです。
年齢 | お年玉の金額 |
0歳~6歳 | 500円~1,000円 |
7歳~9歳 | 1,000円~3,000円 |
10歳~12歳 | 3,000円程度 |
13歳~15歳 | 5,000円程度 |
16歳以上 | 5,000円~10,000円 |
上の表を見ると分かる通り、7歳~9歳前後の子どもに対して、お年玉を2000円渡すのは普通です。
ただ、この表も、あくまでも参考程度の目安に過ぎませんので、自身や親戚間で決めた金額で渡すことに何も問題はありません。
小学生にお年玉2000円は少ない?
一般的な年齢・学年別のお年玉の相場を見ても分かる通り、小学生にお年玉で2,000円あげるのは少ないかというと、小学校1~3年生までの低学年(7~9歳)にとっては、適当な範囲内ということが分かります。
一方、小学校4~6年生までの高学年(10~12歳)にとっては、多少、物足りなさも感じられるということが分かります。
とはいえ、あくまでも、お年玉の金額は、贈る子供との親密度や受け取る側の状況、関係性などを考慮して、渡す方が自由に決めることでもあります。
お年玉で2000円は縁起が悪い?
お年玉で2000円は縁起が悪いのか?
前章でも触れましたが、結論から言えば、お年玉で2000円をあげることが縁起が悪いということは全くありません。
中には「2000円には偶数で割り切れる数字が入っているから縁起が悪いのではないか」という人がいますが、お年玉に関して言えば、それは全く関係ありません。
では、このことについて、もう少し掘り下げて見てみましょう。
結婚のご祝儀では偶数の金額を避ける
確かに、結婚や婚約などのご祝儀では、偶数の入っている金額を避ける人もいます。
この結婚式などのご祝儀で偶数の付いている金額を避ける理由は、日本の文化に根ざしています。
日本では、偶数などの「(2で)割れる」数字は分割や分離を象徴し、これが結婚などの縁結びにおいては、縁起が悪いとされています。
特に、2000円のような「二」が入っている金額は「(2で)割れる」=「(2人が)別れる」という言葉の語呂が似ているため、結婚のような一生の絆を象徴する行事においては避けられる傾向にあります。
つまり、「二」のような偶数の金額は、容易に二人で分けられる(別れられる)ことから、夫婦の離婚や分離を連想させるとも言われています。
一方で、奇数は割り切ることができない数字のため「(割り)切れない絆」を意味し、夫婦が永遠に一緒にいることを願う意味が込められています。
そのため、結婚式のご祝儀では通常、10,000円や30,000円などの奇数の金額が選ばれるのが一般的です。
このような風習は、日本特有の文化や伝統に深く根ざしたもので、結婚式などの重要な場面での縁起を担ぐ行動の一例と言えます。
偶数の金額のお年玉は縁起は悪くない
ただ、前述の通り、お年玉では、偶数の金額の付いている金額は縁起が悪いということは全くありません。
そもそも、お年玉とは、新年を祝う伝統的な風習で、元々は新年のお祝いとして子供たちに魔除けのための「お札(おふだ)」を配ることから始まったとされています。
時間の経過と共に、このお札は徐々に現金に置き換わり、現代では親族や祖父母が新年を祝って子供たちに贈る習慣となっています。
この風習には、新年の祝福と幸運を願う意味が込められていると同時に、子供たちにお金の管理を学ぶ機会を提供しています。
ですので、お年玉の金額が偶数か奇数かに関しては、一般的に重視されることはありません。
偶数の入っている金額を贈ったとしても、普通は問題は生じませんし、そもそも子供たちは、金額に偶数や奇数が付いているかよりも、お年玉をもらえること自体に喜びを感じています。
ですので、お年玉の金額を選ぶ際は、贈る子供の年齢に対する相場や親密度、受け取る側の状況や関係性を考慮することが最も重要です。
お年玉で2000円はダメなのか相場を確認
一般的には、最低でも5,000円という認識があります。
特に、中学生までに渡してきた金額に基づき、多くの場合は、5,000円、もしくは、10,000円が選ばれる傾向があるようです。
お年玉で4000円や9000円は縁起が悪い?
お年玉で4000円や9000円は縁起が悪いのか?
結論から言うと、絶対ではありませんが、お年玉で4000円や9000円のような金額は縁起が悪いと言われることが多いです。
日本では、言葉に対して、他の音や他の意味を重ねる語呂合わせ(言葉遊び)という文化があります。
この語呂合わせは、数字に対しても行われていて、特に「4」や「9」の数字は不吉で縁起が悪いとされることが多いです。
そのため、4,000円や9,000円のような金額は、お年玉としても避けるべきとも言われています。
もちろん、この考え方は迷信と捉えられることもできますが、日本の文化では相手への配慮は重要視されています。
ですので、特別な理由が無ければ、敢えて、お年玉で4,000円や9,000円をあげる必要はないでしょう。
ただ、これはあくまでも迷信の一つとも考えることができますので、例えば、お年玉の金額を「年齢×500円」などと決めている人は、8歳の子どもに対して4,000円(8歳×500円)を渡すことに疑問を感じる必要はありません。
結局、一番大切なのは、お年玉を通じて子どもたちに幸せを願う心です。
お年玉は、ただ単にお金を渡すだけではなく、子どもたちの成長を祝い、新年の幸せを願う日本の美しい文化の一部です。
だから、金額にこだわりすぎずに、渡す側の心遣いを大切にすることも大事です。
なお、お年玉を包むときのお札の折り方にも注意が必要で、お札を4つに折るのは避けて、3つ折りにするといいでしょう。
お年玉は2000円札でもいい
お年玉は2000円札でもいいのか?
結論から言えば、お年玉で2000円札を渡すことは全く問題ありません。
そもそも、最近は、2000円札の紙幣自体を見る機会がほとんどありませんが、2000円札1枚でも2枚でも、お年玉に2000円札を使うことは何も問題ありません。
前述の通り、結婚祝いなどで、2000円札のような偶数の入っている金額の紙幣は縁起が悪いと言われることがありますが、お年玉では全く心配する必要はありません。
お年玉は一人の子どもに渡すものですから、偶数が付いている金額でも全然問題が無いのです。
お年玉で二万円はダメなのか?
お年玉の渡し方のマナーとは
最後に、お年玉の渡し方のマナーについて見てみましょう。
お年玉をあげる時は、紙幣やポチ袋の準備から渡す時まで、いくつかの過程がありますので、それぞれについて説明します。
新札やきれいな紙幣の用意
お年玉を渡す時には、ピカピカの新札を使うのが一般的なマナーです。
この新札は、銀行や郵便局で交換することができます。
ただ、忙しくて新札を準備する時間が無い人は、手持ちのきれいな紙幣を使うといいでしょう。
そして、お札を折る時は、肖像画が描かれている方が表面となり、この表を内側にして左から右へと三つ折りにします。
なお、4という数字が縁起が悪いとされているので、四つ折りは避けるべきです。
ポチ袋への入れ方
お札を折った後は、ポチ袋に入れます。
この時、お札が上下逆にならないように注意しましょう。
また、もし硬貨を入れる場合は、表面が上になるように入れます。
ポチ袋への名前の書き方
ポチ袋には、お年玉をもらう人の名前を表の左上に、あなたの名前は裏の左下に書きます。
小さい子供へ渡す場合は、名前をひらがなで書くのがおすすめです。
もし、名前を書く場所が無い場合は、書かなくてもOKです。
金額の記入
お年玉袋に金額を書くことはマナー違反ではありません。
渡し間違えを防ぐために、裏面に金額を記入しておくといいでしょう。
ポチ袋の封の仕方
お年玉袋は、糊付けする必要はありません。
封をする際は、シールを使っても大丈夫です。
特に子供向けの場合は、子供が好きそうなシールを使うと喜ばれます。
渡すタイミング
お年玉は通常、新年の「松の内」期間(1月1日から7日、または15日までの地域もあります)に渡します。
ただ、それ以降に渡す場合でも「松の内は過ぎましたが」と一言添えてから渡せば大丈夫です。
そして、子どもだけしかいない時にお年玉を渡すのは避けて、保護者がいる時に渡すのことがマナーです。
また、その場でポチ袋を開けたり、子どもに開けさせて、中身を見るのは避けるようにしましょう。
お年玉2000円はダメ?縁起が悪い?まとめ
今回は、お年玉2000円はダメかどうかに関して、お年玉の意味や一般的な相場、縁起の悪い金額などについてまとめました。
具体的な内容を要約すると、以下の通りです。
- お年玉2000円はダメかどうか…2000円をお年玉として渡すことに問題は無く、結婚式のご祝儀のような偶数が入っている金額を避ける習慣もありません。
- お年玉の意味…お年玉は、新年を祝うために子供たちに魔よけとして「お札」を配ることから始まりましたが、現在は、新年の祝福や幸運を願う意味を込めて、現金が贈られています。
- お年玉の金額の相場…お年玉の金額は子供の年齢や親しい度合いによって異なりますが、一般的な相場は年齢別に異なり、例えば、小学生の低学年には1,000円~3,000円、高学年には3,000円~5,000円、中学生には5,000円程度、高校生や大学生には5,000円~10,000円程度が一般的です。
- お年玉で縁起の悪い金額…お年玉で4,000円や9,000円は「4」や「9」という忌み数が入っているため、避けられる傾向がありますが、一方、迷信と考えることもできます。
- お年玉での2000円札の使用…結婚式などのご祝儀で偶数の入っている金額が避けられる文化とは異なり、お年玉で2000円札を使用することは、全く問題はありません。
- 新札の使用…お年玉で新札を使用するの理由は、新しい始まりを象徴するためであり、敬意や清潔感を示すためですが、新札でなくても、特に問題はありません。
- お年玉の渡し方…新札やきれいな紙幣の用意、ポチ袋への正しい入れ方、名前や金額の書き方、適切な封の仕方、渡すタイミングなど、お年玉のマナーを守るようにするといいでしょう。
以上ですが、いずれにせよ、お年玉で最も大切なことは、新年のお祝いや子供の成長を願う行為自体に込められた意味や思いやりですので、そのことを忘れないように渡しましょう。