こんにちは。マサヒロです!
春先になるとスギ花粉による花粉症で苦しんでる人も多いと思います。
僕自身の花粉症の症状は、比較的軽めではありますが、ひどい人になると、マスクやメガネなどによる花粉症対策はもちろんのこと、耳鼻咽喉科などに通って治療薬を処方してもらい飲んでいる人も多いですよね。
ただ、そういった人達も、あくまでも対症療法の場合が多いため、また翌年のシーズンになると再発してしまうという人がほとんどだと思います。
そこで今回は、そういった対症療法ではなく根治を目指すための治療でもある「舌下免疫療法」について調べました。
以前、舌下免疫療法での治療を実際に受けたことがある人の体験談の記事をご紹介しましたが、今回は、この療法の具体的な内容について書いていますので、ご覧ください。
花粉症の対症療法と舌下免疫療法などの免疫療法について
そもそも、花粉症とは、様々な花粉がアレルゲンとなって、鼻や目、皮膚などにアレルギー症状を起こす病気です。
その中でも、最も多く見られるスギ花粉による花粉症は、主に、花粉が飛び散る2月から5月くらいにだけ症状が出て、その他の時には、ほとんんど症状が出ないのが特徴的です。
一般的に、その症状は、鼻や目、皮膚などに、最初のアレルギー症状が出ます。
鼻の場合は、鼻水や鼻詰まり、そして、目の場合は、充血、かゆみ、涙、さらに、皮膚の場合は、顔や手のかゆみ、かぶれといったところでしょうか。
今や日本では、約2500万人が患っているというスギ花粉症ですが、その治療法は、薬で症状を和らげる対症療法と、今回お話しする舌下免疫療法などの免疫療法の2種類の治療法があります。
この後者の免疫療法が、花粉症の根治が期待されるもので、アレルギー原因物質であるアレルゲンを少しずつ体内に吸収させて、体質を改善していくという治療法です。
[originalsc]そもそも、舌下免疫療法とは?
舌下免疫治療法とは、文字通り、舌の下で治療薬を長い間保持することで免疫をつける、アレルゲン免疫療法のひとつです。
そして、スギ花粉症の治療法にも、このアレルゲン免疫療法があり、実は、もう既に、100年以上も前から行われている治療法です。
免疫療法と聞くと、何か新しくて斬新な治療法のように思いがちですが、具体的なやり方の違いこそあれ、案外、古くから始められていた治療法なのですね。
以前から、アレルゲンを含む治療薬を皮下注射する「皮下免疫療法」は行われていましたが、近年では、治療薬を舌の下に投与する舌下免疫療法が、新たなアレルゲン免疫療法のやり方として登場したわけです。
皮下注射の場合には、注射の痛みがあったり、その都度、病院への来院の必要があったことが課題でした。
しかし、舌の下に、スギ花粉のエキスを投与する舌下免疫療法では、簡単に自宅でできる上に、注射の痛みもなく、また、通院の負担も少ないというメリットがあります。
また、全身におよぶ副作用の発現率も低いという安全性の高さから、近年では、特に、注目される花粉症の治療法となっています。
スギ花粉症のアレルゲン免疫療法薬シダトレンとは?
このスギ花粉症の対策として行われる舌下免疫療法の薬剤が「シダトレン(スギ花粉舌下液)」と言われるものです。
なお、この療法を受ける人がスギ花粉症であるということを、血液検査で確定しておく必要もあります。
また、このシダトレンという薬の投与期間は、最低でも2年間必要で、毎日毎日、決まった量を舌の下に滴下し続けなければなりません。
もちろん、花粉症の季節以外にも毎日続ける必要がありますし、途中で中断した場合には、再び、始めからやり直さないといけないところは厳しいですね。
それと、舌下免疫療法を開始する時期は、6月から12月までの間と限定的になっている病院がほとんどで、花粉が飛散してしまう時期から始めることはできません。
なぜかというと、スギ花粉症のアレルゲンはスギ花粉ですので、スギ花粉が飛んでいる時期は、どうしてもアレルゲンに対する体の反応性が過敏になっています。
そのため、スギ花粉が飛んでいる時期に始めると過剰反応によるリスクも高くなりますので、必然的に、花粉が飛んでいない時期から治療を開始するようになっています。
この治療では、少しずつアレルゲンを投与し、身体をアレルゲンに慣らすことからはじめ、数年に渡って継続して服用しますが、一般的には、初回の通院時の治療開始から2週間、自宅でシダトレンを投与し続けた後、再び通院し、その後は、4週間に1回のペースでの通院が必要となります。
適応年齢は、13歳から65歳となっていますが、もう少し高齢であっても、持病が無ければ可能です。
[originalsc]舌下免疫療法の効果と副作用について
肝心の舌下免疫療法の効果ですが、正しく治療が行われれば、治療後最初のスギ花粉飛散シーズンの数ヶ月後から効果が期待されて、年単位では最大の効果が得られます。
アレルギー症状を治えることで、治療終了後も長期にわたって効果が持続しますし、仮に、症状が完全に抑えなれない場合でも、症状が和らぎ、鼻炎薬などの使用量を減らすことができるようになります。
ただ、臨床試験では、2割くらいの人には効果が無かったということで、この治療を受けた人全員に必ず効果が見られるというものではないことは知っておいた方がいいでしょう。
また、アレルゲンを投与するということにより、服用後に、強いアレルギー反応が起こるという副作用の恐れもあります。
実際に、稀ですが、中には、強いアレルギー症状が発症してしまう人もいるようです。
その強いアレルギー症状は、注射の治療と同様に、アナフィラキシーなどのアレルギー反応による副作用で、重篤になる場合があることも理解して、万一の時のために、救急病院受診などの対応も考えておく必要があります。