コウノドリ2【ドラマ】第2話の感想
今回は、子宮頸がんの回でした。
「子宮頸部腺がん」、進行が早く予後が悪いと言われているがんです。
それだけに、治療と出産のそれぞれの判断のせめぎあいが描かれていました。
コウノドリでは、様々な夫婦が描かれていますが、久保佐和子(土村 芳)・慎吾(福士誠治)夫婦は、普通の堅実に生きてきただろうと思える夫婦でした。
今回のテーマは重く、ストーリーにメインを置くにはベストな夫婦でした。
余計なことを考えずストーリーに集中でき、感情移入がしやすい=ストーリーの大事なところを視聴者に伝えやすいといったことを考えてのキャラクター設定だったのかなと思いました。
お互いへの思いやりが節々から感じられる、とてもいい夫婦でしたね。
ドラマとはいえ、あの状況で現状をせいいっぱい受け止め、妻のことを大事に思い、言葉をかけられる夫ってなかなかいないんじゃないかと思います。
とても情の深い器の大きいだんなさんだなと感心しました。
妻の方も、自分のためというよりも子供や夫のために、出来るだけおなかで子供を大きくして生んであげたいという気持ちが強い、とても芯の強い方でした。
リアリストで、子供に障害が残ったら自分たちの生活や時間の使い方も変わると具体的に例をあげながら考えるしっかりしたところも持ち合わせていて、そういう覚悟をもって判断してほしいということも、医療者目線から伝えているんだろうなと感じました。
その前に白川医師(坂口健太郎)が、「結局は子供に何かあったときに親がその現実を受け入れられるか受け入れられないか、そこが問題なんだよな」という台詞からつながった親の覚悟を問うくだりですよね。
この状況に正面から向き合ういい夫婦なだけに、二人にふりかかるがんにやるせない思いを感じました。
でも、この病気の容赦ない点が描かれている場面でもあると思います。
妊娠中にがんがわかる…本当にとても辛い状況だと思うし、パニックになるのも分かります。
それを何とか夫婦で受け止め、導き出した答えに真摯に向き合う様子に心打たれました。
それに寄り添う先生たちの様子にも、医師としての仕事の重さを感じずに入られませんでした。
この話の場合は、最後明るい結果で終わっていますが、とてもシビアな状況の患者さんもいるだろうし、それに幾度となく対面する医師としての仕事は、負担も大きい仕事だなと改めて感じました。
子宮頸がんワクチンについても取り上げていましたが、時間的にはもう少しじっくり描いてもよかったのではないかと感じました。
子宮頸がんワクチンについては、スタッフ同士の会話だけだったので残念でした。
副作用が強く出た場合のケースが私の中には印象強く、もう少しその必要性を深められるかなと思いましたが、話の流れだと小松さんの意見に同調してしまうんですよね。
特に、テレビ報道しか知らないと。
産婦人科医の間では、子宮頸がんワクチンの必要性と、副反応のマスコミ報道に疑問を呈す意見があるようなのですが、それもネットであえて調べないと出てこない=自分が主体的に調べようとしないと気づかないことなので、あの話の流れだけでは、そこまでに至らないだろうなと感じました。
子宮頸がんを早めに見つけるには、定期検診が大事です。
自分もそうでしたが、若いと子宮頸がんのリスクを知らない場合も多いと思います。
妊娠して初めて子宮頸がん検診を受けたという場合も少なくないと思います。
性交渉があるなら、定期的に検査を受けるということをもう少し周知した方がいいと思います。
その辺りも、今回のドラマで警鐘を鳴らせたらよかったのでしょうが、1時間枠のドラマだと厳しいですね。
あと、子宮全摘出後の結果がぼかされて表現されていたのが、とても気になりました。
自分がこの病気の経験者だからかもしれませんが、鴻鳥医師(綾野剛)やみんながほっと笑顔になって、夫婦二人も喜んだ状況がどういう内容だったのかの医学的な説明をしてほしかったなと思いました。
その点は、以下のサイトで外科医の方の説明をみて納得できました。
外科医の視点
http://keiyouwhite.com/konodori2-2
円錐切除で1B1期と診断後、広汎子宮全摘出術でも1B1期だったようです。
データでは、リンパ節転移:合計(0/37)と書いてあったので、転移はなかったのですかね?
状況によって、術後の放射線治療や化学療法があったりなかったりのようです。
このドラマの夫婦は、どうだったんでしょう?
もしかしたら、それらの治療は必要なかったんですかね?
その辺りは定かではありませんが、若くて卵巣を二つ取っているので、その後の治療も気になります。
いろいろ突っ込んだ疑問が出てきてしまいましたが、これからの久保ファミリーの幸せを願わずにはいられない回でした。
今後の産後うつの話も気になります。
お読みくださりありがとうございました。