コウノドリ2 第4話 感想
今回は、「トーラック(帝王切開後の自然分娩)」のお話でした。
トーラック(帝王切開後の自然分娩)を希望する妊婦、蓮(安めぐみ)は、第1子の出産が帝王切開だったため、子育てがうまくいっていないのではと悩んでいます。
だから、第2子はリスクを冒してでも、自然分娩をしたいと考えています。
彼女は、周りの心無い人に、帝王切開で楽して生んだなど言われてきたのでしょうか。
帝王切開で生んだことと、育児が上手くいかないと感じるのは、全く別のこととだと思うのですが、思い込みで自分を辛くするのもほどほどにと感じてしまいました。
あそこまでそれにとらわれてしまうと、上の子がかわいそうにさえ思えます。
もし、次の子を無事自然分娩で出産出来たら、第2子は愛情を持って育てることができて、第1子はどうなってしまうのだろうと。
自然分娩できることで、囚われた心がほぐれ、二人の子供を平等に愛せるのならいいのかもしれませんが、でも大きなリスクは気になりますね。
夫や上の子に対して、お腹の子や自分の死というリスクを背負わせてまで、自分の意思を通そうとすることが私には理解できないのですが、若い妊婦さんという設定なら、いろいろな選択肢から選びたいと考えるのかもと感じたりはします。
私は、高齢初産で緊急帝王切開になりましたが、まず母子ともに無事に生むことが第一だったので、リスクは最小限にという発想でした。
できたら自然分娩でとは思いましたが(というか、自然分娩でなくなるなんて想像してもいなかった)、緊急帝王切開になるという状況は、医師の判断を受け入れることになりますから、無事に生みたいと思えば、事実上、患者に選択肢なんて残されていません。
だから、彼女も何らかの状況で、やむを得ず帝王切開になったんだと思うんですよね。
医師の判断を最優先にして選択した帝王切開なのに、子供に愛情を持てないのは帝王切開で楽をして生んだからと思いこむのは、かえって上の子に向き合うことを妨げてしまっていると思うんですよね。
彼女の思い込みがどこからきているのかは、ドラマの中には出てきませんでしたが、帝王切開をした人に無神経なことを言う風潮はやめてほしいなと思います。
それに、帝王切開は楽ではなく、産後の子宮の収縮で相当痛いですしね。
でもトーラックができると決まってからの彼女の表情は、とても清々しかったですね。
何かの呪縛から解き放たれたように。
そういう意味では、医師としてチームとして向き合ってくれる病院に出会えたことは、幸せなことかもしれません。
カンファレンスのシーンのように、医師が限られたぎりぎりの状況で向き合ってくれているのを知ると、頭が下がります。
彼女は、お産が進まず、結局、帝王切開に切り替えることになりましたが、その時の夫や娘のやりとりがとてもよかったです。
それにしても、蓮(安めぐみ)のだんなさんのおろおろぶりが、イライラを通り越して面白かったです。
第1子は、里帰り出産だったんですかね。
いろいろ無知で驚きましたが、その辺にいそうな根はまじめな憎めない旦那さんでした。
今回の四宮医師(星野源)のセリフは、グッと来ました。
「サクラは子宮口が全開になるまで待ってるんだろう。
まだ切らなくていいものをなんでわざわざ急いで切る必要がある。
そんなのやさしさでも何でもない。
それで生まれて、お前は心からお母さんにおめでとうって言えるのか?
自分の目で確かめてきたらどうだ。」
やっぱり、これくらいの立ち位置の方が活きますね。
あと、木下優樹菜夫婦の、子供がNICUに入院している間に旅行ってちょこちょこあるんですかね。
第1子のために旅行に行ってたのかと思いましたが、夫婦二人の旅行だったようですね。
いつ何があるかわからないのに、旅行って…そんな気にもならないし、ちょっとありえないですが、白川医師(坂口健太郎)がビシッと言ってくれてすっきりしました。
それにしても、木下優樹菜の演技が残念で…ゲストとはいえ気になりました。
その他、新生児科も産婦人科も人材不足なのが気になりますね。
皆、過重労働傾向にあって、そのうち崩壊してしまうのではないかと心配になります。
何とかならないものかと思いますが、自分の手の及ぶことでもなくてもどかしいです。
今回もいろいろ考えさせられるお話でとても良かったです。
次回はとてもつらそうなお話のようですが、楽しみにしています。